排尿障害とは【整形外科学ブログ】

排尿障害には２種類あります。
 

1. 尿が出過ぎる障害(失禁)
2. 尿が出なさすぎる障害(乏尿・排尿困難)

排尿障害を説明する前に排尿の基本的な仕組みを説明します。

脊髄円錐というのがS1からS4の所にあり、
排尿中枢(排尿を司る神経細胞)がS2からS4の所にあります。

尿が出るまでの流れですが、
尿がたくさん溜まり膀胱の壁が大きくなるとその情報が排尿中枢に送られます。
そうすると自動的に①尿道括約筋を緩める動き②膀胱筋を収縮させるの２つの動きが行われます。
自動的にそういう仕組みになっているのがポイントです。

赤ちゃんはこの自動的な仕組みによって膀胱が大きくなるとお漏らしをします。

ではなぜ我々大人はお漏らしをしないのか？

それは尿意を大脳で抑える仕組みがあるのです。

そしてトイレがあると大脳で抑える事をやめて、
①尿道括約筋を緩め
②膀胱筋を収縮させて
尿を出します。

これが基本的な排尿の仕組みです。

それが頸椎ヘルニアによって上位の神経を圧迫することで
大脳の抑える機能がなくなり失禁になります。

逆に尿意を覚える神経を圧迫されると、
膀胱がパンパンになっても尿意を覚えず乏尿になります。

ということで具体的にみていきましょう。

１、尿が出過ぎる障害(失禁)
尿が出過ぎる障害は上位型と呼ばれています。
上位というのは脊髄円錐より上の部分に障害が出る事を言います。
頸椎ヘルニアで脊髄の上位部分に障害が起こると膀胱に尿が溜まるときに大脳の制御が効かず失禁になるケースがあります。

２、尿が出なさすぎる障害(乏尿・排尿困難)
尿が出なさすぎる障害は下位型と呼ばれています。
下位というのは脊髄円錐より下の部分に障害が出る事を言います。
胸腰ジャンクションあたりを交通事故などで圧迫し脊髄円錐に障害が起こると、
膀胱に尿が溜まっても尿意を感じることが出来ずに乏尿になり辛くなります。