脊椎の胎生学について【整形外科学ブログ】

脊椎の胎生学というのは胎児がどのように人間になっていくのかを研究する学問の事ですが、
脊椎は受精をしてから3週までに原基の形成及び左右の癒合が始まります。
その後、8週までに上下の分節化が起こります。
この時期に椎体が出来上がるので奇形が起こると椎体の奇形となります。

そして、10週までに椎弓の骨核発生及び核癒合が起こりますので、
この時期に椎弓が出来上がるので奇形が起こると椎弓の奇形となります。

ということで人間の背骨は妊娠10週目くらいに通常できるという事です。

原基というのは「元」という意味になります。
脊柱原基というのは背骨の元という意味です。

椎間板の中にある髄核の原基は脊索(ついさく)と言います。

脊索の左右に椎板という組織があります。(イラスト参照)

椎板というのは椎体の原基です。
後にこの左右の椎板が癒合して椎体になります。
ここまで3週間で出来ます。

3週から8週では椎間円板が形成されます。
椎間円板というのは椎間板の線維輪の原基となります。
この椎間円板は椎板の中央に出現します。
この結果、椎板は上下に分断されます。

さらに上にある下がった椎板と下にある上がった椎板がくっついて椎体原基となり、
椎体原基が椎体になります。
(イラスト参照)

8週目の末頃には、
脊索は椎板によって切られて上下に移動し髄核になります。
椎間円板は線維輪になり、椎間板が出来上がります。
椎体原基が椎体になります。

ここまでで椎体が出来上がります。

椎体が出来た後に椎弓が出来ます。

その仕組みはまず２つの１次骨核ができます。

骨核というのはそれが将来石灰化して骨を成長する軟骨組織のことです。

１次骨核と２次骨核というもがあり、
１次骨核というのは胎児期に発生します。イラストのピンクの部分です。

２次骨核というのは生まれた後に発生し、大きくなった後に石灰化し骨を成長させるもので、
別名骨端核とも言われています。イラストの青の部分です。

ここまでが8～10週目で椎弓が出来上がります。
この時期に問題が発生すると椎弓の奇形となってしまいます。